いまひとつの労働力過剰現象は、新規学卒者である。これはほんの数年前の新規学卒者の奪い合いを思い出すとまるで嘘のような様変りだが、目本の雇用制度を前提にすると、このような極端な変動が新規採用者の市場で生じやすい。中高年層を合理化の対象にしたいと言っても、実際にこの階層の雇用を削減するのは容易でない。何よりも彼等には人的資本として莫大な投資が具体化されており、これを削減することはそれまでの人的投資を回
不況の最大のシワ寄せ... の続きを読む
ドイツ型の職業別労働市場について述べよう。すでに指摘したように、それは日本型の内部労働市場と最も隔たったシステムだ。それは技能形成の方式だけでなく、教育制度から職業階層の制度に至るまで、まったく異なる原理に基づいている。それはまた、「制度化」された流動性の利点とともに、さまざまな難点を抱えるシステムでもある。しかし、エリート的な専門職ではなく、一般の職業における技能形成を追求するという点で、日本型
「職能資格」「技能資格」の高コスト... の続きを読む
「現職場で与えられた仕事やポジションが不満」という理由は、自意識を過剰に表に出さずに説明できれば、まあまあだ。自分はこういった仕事をしたいのだが、現職場ではさせてもらえないのが残念だ、という理由は、転職先の希望職種とうまく噛み合えばスマートな「辞めたい理由」となる。「こんなに優秀な俺様を使わないなんて、今の会社はバカだ」と言わんばかりのニュアンスにならないように、謙虚な言い方を心がけよう。「今の会
謙虚な言い方を心がけよう... の続きを読む
次のことを指摘しておこう。すなわち雇用システムに関して、「日本型」とか「アメリカ型」あるいは「ドイツ型」といった表現がなされるとき、それは「構造化」され、あるいは「組織化」されたシステムであることを意味している。その「構造」の違いに応じて、日本型とかアメリカ型とかと呼ばれることになるのである。これに対してそのような制度や構造が存在することのない雇用システムもまた存在する。つまり、何らかの制度に即し
システムにおける「型」の内実... の続きを読む
小さな会社は、暇を持て余して遊んでいるような余裕がないかわりに、やりがいは充分ある。1万人の会社なら誰かが休んでも業務に影響は出ないから「あいつは休みか」ぐらいですむが、10人しかいない会社では、一人一人の持ち分が大きく、分担も利かないので、一人が休んだだけで仕事に大きな影響が出る。みんなが即戦力である。実力でやっていきたい人にとっては、これほどやりがいのある職場はないはずだ。何といっても自分の能
小さな会社はやりがいがある... の続きを読む
経験のある中高年齢層やホワイトカラー管理職層を解雇することは彼等がこれまでに蓄積した貴重な人的資本を廃棄することになり、企業にとって中・長期的に大きな損失となるハズである。これまでに多大のコストをかけて形成し、蓄積した人的資本を廃棄するくらいなら、むしろ、まだコストのかかっていない若年層の中で、能力や業績の低い人々を整理・解雇する方がむしろ企業にとっては経済合理的選択のハズである。しかも日本の大企
中高年層の能力再開発... の続きを読む
彼が狙ったのは、日の出の勢いで店舗展開をしていく大手コンビニエンスチェーンA社である。これから店舗が広がっていくにつれ、「単に品物を二十四時間通して販売する店舗」から「人が集まることで新規事業のシーンを生み出す店舗」へと変貌していく。そんな状況下では、経営そのものを舵取りする人材が、もっともっと必要になってくるはずである。そう読んだ彼の予想は見事に当たり、書類審査→面接と順調に進んでいった。そして
大手コンビニエンスチェーンへの転職... の続きを読む
女性労働の分野を中心に非正規雇用化や商取引化かすすんで、格差も大きく拡大してきた。これらの格差は、実は性役割を土台とする雇用慣行や、労働と生活のシステムから生み出されているのだが、それがいかに不合理であるかについてはそう明確に見えるものではない。そもそも「パート研報告」が指摘する、「長期的な企業内キャリア形成」や「残業や配転などの拘束性」が「家計の支え手を前提とした正社員の賃金体系」や「雇用保障と
非正規雇用化と商取引化... の続きを読む
「中核的労働基準」は、一九九八年ILO総会で採択された、仕事における基本的原則及び権利に関するILO宣言でも強調されているものである。すべての加盟国が、(1)結社の自由及び団体交渉権の効果的な承認、(2)あらゆる形態の強制労働の禁止、(3)児童労働の実効的な廃止、(1)雁用及び職業における差別の排除、というILO条約に定められている基本的権利を、尊重・促進・実現する義務を負うとされているものである
中核的労働基準について... の続きを読む
アウトソーシングは、単なる外注化とは異なり、特定の業務プロセスをパートナーに丸ごと移管することで、専門性発揮により生産性の向上や高付加価値化を実現させるものです。その直接的効果は、(1)コア業務への人材の集中、(2)専門性の発揮、(3)コスト削減、などが代表的なものです。しかし政略的に活用することで、それ以上の効果が期待できます。まず、アウトソーシングは、特定の業務プロセスを丸ごと移管するわけです
アウトソーシングをもっと活用する... の続きを読む
正社員だけを政策的に優遇することはやめて、同一労働同一賃金という「普遍的な原則」に合わせた雇用政策を追求することである。企業の労務管理も個々人のニーズも多様化しており、派遣労働を全面的に禁止するという措置など不可能だ。むしろ、働き方にかかわりなく、労働条件をなるべく平等なものに近づけていくことこそ、多様化する雇用の時代には重要である。また、派遣労働などの非正社員制度と正社員制度を明確に区別するよう
働き方に影響を受けない中立的な政策を追求すべき... の続きを読む