経験のある中高年齢層やホワイトカラー管理職層を解雇することは彼等がこれまでに蓄積した貴重な人的資本を廃棄することになり、企業にとって中・長期的に大きな損失となるハズである。これまでに多大のコストをかけて形成し、蓄積した人的資本を廃棄するくらいなら、むしろ、まだコストのかかっていない若年層の中で、能力や業績の低い人々を整理・解雇する方がむしろ企業にとっては経済合理的選択のハズである。しかも日本の大企業はこれまでのバブルの時代やその前後に採用基準を事実上下げて無理して若年労働力を大量に採用しており、彼等の中には努力や能力の不足している人々も少なからず含まれているハズである。
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これらの人々を整理して、平成不況下で余剰となっている比較的優秀な新規学卒者と入れ替えた方が企業にとっても得策であり、また、整理される若い人々にとっても職業生活についての考え方をしっかりさせる機会となるという意味で長い眼で見れば有益であると考えられる。若い時代にはまだ二度も三度もやり直しはきくのであり、自らを鍛え直すのは若い時代の方が効果があるからである。第三に、中高年齢者の雇用について大切なことはその賃金にふさわしい働きをしてもらうよう彼等の能力の活用や能力の再開発に力を注ぐことである。日本の多くの企業はこれまで若い労働力の教育・訓練には熱心だったが、中高年齢層の能力開発には力を入れてこなかった。しかも働きざかりに長時間労働で酷使するために労働者の多くは自己充電もできずに能力の退化、陳腐化を起している。このような人材利用のしかたを根本から見直す必要がある。