彼が狙ったのは、日の出の勢いで店舗展開をしていく大手コンビニエンスチェーンA社である。これから店舗が広がっていくにつれ、「単に品物を二十四時間通して販売する店舗」から「人が集まることで新規事業のシーンを生み出す店舗」へと変貌していく。そんな状況下では、経営そのものを舵取りする人材が、もっともっと必要になってくるはずである。そう読んだ彼の予想は見事に当たり、書類審査→面接と順調に進んでいった。そして、最終面接で応対した人事担当取締役は、Nさんに対してこんな質問を投げかけた。
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「Nさんは大手証券会社で経営企画に携わっているようですね?」「ええ。一応、会社の中枢においてもらってます」「もう一度、一からの出直しで汗をかくことはできますか?」「は?」「我が社では管理部門の採用であっても最低一年は現場の店舗で働いてもらうんです」流通業界が異業界から人材を採用する場合、面接場面でよく交わされる会話である。